
このブログでは、これまで「痒み」や「アレルギーマーチ」、「食物アレルギー」など、乾燥肌(皮脂欠乏症)と関係のある内容をご紹介してきました。
乾燥肌では皮膚のバリア機能が低下して、アレルギーの原因物質が皮膚からからだの中に侵入し、アレルギーが引き起こされるというお話でした。

特に、アレルギーになりやすいこども(アレルギーハイリスク児:両親もしくはきょうだいに1人以上のアレルギー罹患者がいる児)の場合は、ふだんからのスキンケア(清潔&保湿)が重要です。
しかし、スキンケアをしていても、環境などの変化により皮膚トラブルが出てしまうことがあります。まだ皮膚が未成熟なこどもだからこそ、トラブルが起こりやすいですし、早く治してあげたいですよね。
ここでは、どんなときに病院に行ったらいいのか、何を準備すればいいのかなどを具体的にお話しします。
「おかしいな?」と思ったら、それが受診のタイミング
ふだんからわが子を見守っている親御さんが「おかしいな?」と思ったら、それが受診のタイミングです。
「おかしいな?」と気づくのは、例えばこんなときではないでしょうか。


これ以外にも「おかしいな?」と思うことがあったら、病院に行ってください。
こどもの皮膚トラブルは、主に小児科と皮膚科が担当します。ふだんから診てもらっているかかりつけのお医者さんがいれば、まずその先生に相談するとよいでしょう。
「ブツブツや痒みくらいで病院に行くなんて…」と躊躇する人もいるかもしれません。でも、これくらい、と思っていたのが、見る間に悪くなっていくこともあります。悪くなってしまうと、治療にはかえって時間がかかってしまいます。適切な治療を早く始めることで、からだの負担を最小限に抑えることができます。なるべく早くお医者さんに診てもらうことが近道なのです。
「おかしいな?」と思ったら、早めに受診してくださいね!
皮膚のトラブルはスマホでパシャっと撮影!
では、病院(小児科/皮膚科)に行く前には、どんな準備をしておけばよいのでしょうか?
①症状が出ているところの写真を撮る
皮膚の症状には出たり消えたりするものがあります。
「家では症状があったのに、病院に着いたら消えていた…」ということもあり得るので、スマホなどで写真を撮っておくことをおすすめします。
写真があれば、もしも症状が消えていても確認できます。また、家での状態と受診時の状態を比較できるのも利点です。
②症状についての状況をメモしておく
皮膚トラブルがいつ起きたのか、どんな状況で起きたのか、という情報は重要です。
次のような情報は、メモしておきましょう。

また、他の病院で診断されている病気や処方されている薬があれば、それも伝えてください。おくすり手帳や母子手帳を持って受診するとよいでしょう。
さらに、アレルギーになりやすい体質かどうか(その子の両親やきょうだいにアレルギー疾患があるかどうか)も重要です。
とはいえ、こんなに多くのことを伝えるのはなかなか大変なものです。
そこで、あらかじめメモに書いておき、それをお医者さんに渡すことをおすすめします。口頭よりも正確かつ早く伝えることができ、診察時間を効率的に使うことができますよ。
お医者さんに適切な対処法を教えてもらおう
私たちは「お医者さんが診れば、すぐに病名や原因が分かるだろう」と思いがちですが、実はそうでもありません。
現時点の情報だけでは診断できない、ということはよくあります。長期にわたって診ていくことでやっとわかることもあります。
例えば、一時的な乳児湿疹なのか、よくなったり悪くなったりを繰り返すアトピー性皮膚炎なのかというのは、長く経過を見ていかないとわかりません。また、食物アレルギーの場合は、何の食品が原因なのか突き止めるのに時間がかかることもあります。
ですが、皮膚トラブルの場合はすぐに診断が付かなかったとしても、適切な対処法を教えてもらうことができます。病名が付かなくても、原因が特定できなくても、今できること/すべきことは指導してもらえるはずです。
ふだんのスキンケアに加え、病院で指導された治療法を実践して、大切なお子さまの肌と健康を守ってあげてくださいね!
監修:国立病院機構 三重病院 名誉院長 特別診療・研究役 藤澤 隆夫 先生
資格:日本小児科学会 小児科専門医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
提供元:マルホ株式会社
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