
アトピー性皮膚炎を含め、乾燥肌(皮脂欠乏症)の人は、毎日の保湿がとてもたいせつです。
でも、あなたは正しく保湿できていますか?
ちょっと自信がないなと思ったら、ぜひこの記事を読んでみてください。
自信がある方も復習がてらご覧ください。
保湿は1日2回以上が望ましい
保湿剤は、できれば1日に2回以上(朝と夜の入浴後など)塗りましょう。
特に石けんやボディーソープで洗った後は、皮膚から皮脂などの保湿因子が流されていて、水分が蒸発して乾燥し、カサカサになりやすいのです。
タオルで水気をやさしく拭き取ったら、なるべく早く保湿をしましょう。
保湿剤を塗る前には手をきれいに洗ってください。
手を洗わずに保湿剤を使用すると、手についている刺激物を一緒に塗り込んでしまうかもしれません。
保湿後は「テカっ」「ペタっ」を確認しよう
保湿が十分か不十分かを判断するのは簡単です。
保湿した後の皮膚を見てください。
皮膚が光を反射して「テカっ」としていますか?
見た目ではよく分からないようなら、ティッシュペーパーを1枚、広げた状態で保湿後の皮膚に当ててください。
ティッシュが「ペタっ」とくっつきましたか?

この「テカっ」とか「ペタっ」という状態になっていないなら、保湿が不十分です。
つまり、使う保湿剤の量が少なくて足りないということです。
保湿剤が足りないと、十分な保湿ができない
保湿剤は、使用量も重要です。使用量が少なすぎると、十分な保湿ができないこともあるのです。
皮膚が荒れている(湿疹などができている)ときはなおのこと、保湿剤は十分な量をしっかり使うことがポイントです。
というのも、皮膚は平らなように見えても、拡大してみると、でこぼこしています。
保湿剤を薄く塗ってしまっては、でこぼこの谷の部分にはつきますが、でこぼこの山になっている部分にはつかないのです。
しっかり塗ろうと擦り込んだら、よけいに「山」の部分の保湿剤はとれてしまうこと、おわかりいただけますか。

ですから、保湿剤は皮膚にのせるように、たっぷり塗ってください。
そうすれば「山」の部分もしっかり保湿できます。
保湿剤の適切な使用量
では、保湿剤をどのくらい使えば「テカっ」「ペタっ」とした十分な保湿ができるのでしょうか?
保湿剤にはいろいろな剤形がありますので、剤形別の適切な使用量を紹介します。

保湿剤の適切な塗り方
適切な量の保湿剤を容器から出したら、塗る部分にチョンチョンと点を付けていってから、手のひらでやさしく伸ばすと、まんべんなく塗ることができます。
顔は円を描くように伸ばしていくといいですよ。
また、指と指の間、関節(膝・肘)の内側と外側、足首のくびれ部分、足の甲や裏にも、保湿剤を忘れずに塗ってください。

①体には保湿剤を左右対称に点在させてから、手のひらで伸ばしましょう。
②
③手足の指は親指と人差し指で軽くつまむようにして塗ります。指と指の間も塗りましょう。足の甲や裏、足首のくびれも念入りに塗りましょう。
一見、正常に見える部分もしっかり保湿を
そんなに保湿剤を使うのであれば、湿疹のあるところ、カサカサ・ザラザラしているところだけ部分的に保湿すればいいのでは?と思う人がいるかもしれません。
しかし、特にアトピー性皮膚炎では、正常に見える部分であっても実は乾燥肌であることが多いのです。湿疹がまったく出ていない部分、以前は湿疹があったけれど治った部分を含め、全身を保湿することが大事です。
日頃から薬物治療・スキンケア・悪化因子の対策を行い、症状をコントロールして「寛解(かんかい)」(症状がないか、あっても軽いもので、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない)を維持し続けることができます。
いずれこどもが成長したら、今度は自分自身で適切なスキンケアを続ける必要があります。
だからこそ、小さいうちから親が正しいスキンケアを実践し、伝えていくことがたいせつなのです。
監修:国立病院機構 三重病院 名誉院長 特別診療・研究役 藤澤 隆夫 先生
資格:日本小児科学会 小児科専門医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医・指導医
提供元:マルホ株式会社
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